「イテテテテ・・・!」
久しぶりの激しい運動をした翌日、階段の昇り降りも苦しくなるぐらいの筋肉痛って誰しもが経験ありますよね?
これってしっかり身体を動かした「頑張った証拠」として喜んだらいいのでしょうか?それとも昨日の「頑張り過ぎ」を身体が警告しているのでしょうか?
正解はどっちなのでしょう。
一日遅れでやってくる筋肉痛に「もう歳だね」って言われたことはありませんか?これも誰もが一度は経験している会話です。
「筋肉痛と年齢って関係あるの?」
「だいたい、そもそも筋肉痛って何で起こるの?」
「筋肉痛になってしまったら早く元に戻す方法は?」
私たちの身近に起きる筋肉痛って、知っているようでよく知らない・・・そんな代表例かもしれません。
そんな筋肉痛について今回はその原因と治し方をご紹介していきます。
筋肉痛になる原因とは?
あなたは筋肉痛がなぜ起こるか知っていますか?
「え?それって疲れが溜まると出る乳酸という物質が筋肉に貯まるからでしょう?」って思っていませんでしたか?
実は今でも多くの人がこう思っているようです。でもこの「筋肉痛=乳酸」説は間違いだということがわかってきました。
だってよく考えてみてください。
もし筋肉痛の原因が筋肉に貯まる乳酸だったら、
- 運動を始めて疲れが出てきた時に筋肉痛は出てくる
- 疲れが解消するにしたがって筋肉痛も消えて、あとは回復する一方
のはずでしょう?
でも実際にはそうはなりませよね?
筋肉痛は実際の運動の何時間か後からやってきて、(平均的には)2日後にピークを迎えます。この症状を正式には「遅発性筋肉痛(Delayed Onset Muscle Soreness=DOMS)」と言います。
難しい言葉は覚える必要はありませんが、「筋肉痛は遅れてやってくる」(DOMS)は身体的には正しい症状だということは覚えておきましょう。
そんなこともあって、筋肉痛の原因について最近では新たな説が有力になってきました。
それは、
『運動をする』
↓
『筋肉がダメージを受ける』
↓
『炎症を起こす』
↓
『痛みが発生する』
という順番です。
もう少し専門的に説明しますね。
人間の筋肉は、一本一本の筋繊維(ちょうど細い素麺のような)が束になって集まり出来ています。
運動によってこの筋繊維が傷んだり切れたりしますが、不思議なことにこの筋繊維には痛みを覚える「痛覚」がありません。
筋膜には「痛覚」がありますが、この時点では筋膜は傷ついていないので私たちは痛みを覚えないのです。
でも、この筋繊維は傷つくと、しっかり炎症を起こします。
そしてこの炎症を鎮めようと、
- 身体は白血球を呼び寄せ、集められた白血球は傷んだ筋繊維を掃除
- 同時に痛みや腫れを引き起こす「発痛物質」を放出
どうやらこれが筋肉痛の原因、犯人だったようです。
この白血球の発痛物質が登場するまでには、このような順番により時間差が生じています。これがDOMSの原因らしいのです。
筋肉痛を早く治す方法は?
「原因がわかったとしても・・・。」
「筋肉痛になってしまったら?」
「どうやったらこの痛みを早く消すことが出来るの?」
たぶん頭の中にあるのはそれですよね?
一般に筋肉痛を治す方法は以下の5つだと言われています。もちろん個人差はありますが、原因がわかれば対策もわかりますので、その効果的な方法として考えられています。
1.アイシングする
筋肉痛の痛みが激しい場合は、筋肉の炎症を抑えるためにアイシング(冷やすこと)が効果的です。アイシングをすることで血流を抑制し、筋肉の炎症も抑え、痛みを軽くすることができます。
2.筋肉を柔らかくほぐす
筋肉が酸化して硬くなり張る感覚があるのなら、硬化をほぐして、暖めて血流がよくなるようにします。
血流がよくなることで、酸素が行き渡り易くなり、もちろんそれによって血液が運ぶ各種栄養素も行き渡り易くなります。
3.温冷浴
3分ほど42℃くらいの熱めの湯船に浸かって身体を温めます。3分経ったら湯船を出て冷水のシャワーを1分程度浴びます。その後このセットを3回~5回繰り返すと効果的です。
ただし心臓への負担もあり、高血圧の方や持病をお持ちの方はこの方法は控えてください。
4.栄養補給する
傷ついた筋繊維を修復、回復させるためには、その素である栄養素の「糖分」や「たんぱく質」を意識的に多く摂ります。
5.睡眠をしっかりとる
何よりも睡眠は疲労回復に最も効果的です。疲れているときは眠たくなりますよね?(苦笑)できれば筋肉痛がある時は8時間程度の睡眠時間はとりたいものです。
上級者も間違えやすい筋肉痛の対処法
筋肉痛と上手に付き合う
健康的な生活を送るためには、適度な運動は欠かせません。そして適度な運動に筋肉痛は付きものです。
筋肉痛はそれだけ「いい運動をした」という、「頑張った」という裏返しでもあります。「イテテテテ・・・」は、身体からの正常なシグナルなのです。悲鳴ではありません。
そう考えると、筋肉痛は健康的な生活の敵ではなくて、友好関係にあるべき友達のような存在です。
筋肉痛をストレスと感じず、これからも筋肉痛と上手く付き合っていきたいですね。
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