「最近、ズボンがきつい。メタボかな・・・」
なんて、つぶやいた人は少なくないはずです。
また「軽いメタボの兆候がありますよ」
なんて診断されて気になりだしているという人も・・・。
そんな当たり前となった「メタボ」という言葉。
すでに耳慣れた言葉ではありますが、実際のところ本当の意味や「メタボリックシンドリーム」の状態ってどういうものなのか?を知っている人は案外に少ないのではないでしょうか?
そこで今回はこの耳慣れたメタボリックシンドロームの本当の姿を探っていきたいと思います。
メタボリックシンドロームの意味とは?
メタボリックシンドロームの名前の由来は、
「SYNDROME」=症候群
から来ています。
日本では正式には「内臓脂肪症候群」と呼ばれています。
身体の脂肪には大きく分けて二種類の脂肪があります。脂肪は付く場所によって大きく「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に分かれます。
「皮下脂肪」とは皮膚の下についている脂肪で表面からでもつまめる脂肪です。
対して「内臓脂肪」というのは、主に腸などの内臓の周りに付くもので、この脂肪が多いとウエスト周りの大きさに影響するものです。
メタボリックシンドロームは、食べすぎや運動不足という生活習慣の乱れから始まって、後者の脂肪、「内臓脂肪」が蓄積されることで生じます。
内臓の周りに貯まる内臓脂肪肥満というものは、下半身を中心にいわゆる皮膚の下に貯まる皮下脂肪の脂肪細胞と違って、インスリンの抵抗性を増加させる悪性の脂肪と呼ばれています。
この状態は動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などの命にかかわる病気になりやすい、とても怖い状態です。
しかも困ったことに、これらは普段の生活で自覚症状を覚えません。
ですので、ついつい生活習慣を乱して、発症してから(心筋梗塞や脳梗塞を起こしてから)、あとで大変な思いをすることになってしまいます。
その今のアナタの身体の危険度を教えてくれる指標が「メタボリックシンドローム」ということになります。
メタボリックシンドロームの基準とは?
では、どんな状態が「メタボリックシンドローム」と呼ばれるのでしょうか?
これには一定の基準があります。
「メタボリックシンドローム」の基準は以下のとおりです。
胸囲(へそまわりのウェストサイズ)が
- 男性=85cm以上
- 女性=90cm以上
これに加えて、次の3つのチェックポイント
■血清脂質
- 中性脂肪(トリグリセライド)値が150mg/dl以上
- HDLコレステロール値が40mg/dl未満
またはその両方にあてはまる。
■血圧
収縮期血圧が130mmHg以上か、拡張期血圧が85mmHg以上、またはその両方にあてはまる。
■血糖
空腹時血糖値が110mg/dl以上
以上4つの項目の中で、
「メタボリックシンドローム」の診断基準は、
になります。
メタボリックシンドロームの予防と改善
では、そんな怖いメタボ状態になってしまったとして、あるいはその予備群に入りかけているとして、その予防や改善ってどうしたらいいのでしょうか?
実は幸い、メタボリックシンドロームの主な原因となる内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて蓄積され易い代わりにエネルギーを消費することで、解消し易いという特徴があります。
比較的減らしやすい脂肪というわけです。
これを知ると少し元気が出てきますよね?
内臓脂肪を減らすには「適度な運動によるエネルギー消費」と「食事によるエネルギー摂取の抑制」をバランスよく実行することが重要です。
これはダイエットでも生活習慣病の予防でも、どこでもいつでも聞く、いわゆる「黄金の道」です。
例えば運動では
- 駅や会社などで階段を使うようにする
- 車ではなく可能な範囲なら自転車などを使う
- バス停の1つか2つ分を歩く
- 布団干しや、こまめな掃除などで身体を動かす
などで充分です。
また食事でも
- 寝る前には食べない
- 食事はよく噛んでゆっくりと食べる
- 菓子の間食やアルコール飲料を控える
などです。
「どれも当たり前・・・」と思えることです。でも、これを実直に行うことがメタボを追放する大事なカギとなります。
メタボリックシンドロームをしっかりと知る
「1+1+1=36」という式をご存知ですか?
これはメタボリックシンドロームの3つのチェック基準が全部揃うと、心筋梗塞などになるリスクが36倍になるということを表したメタボリックシンドローム独特の式です。
メタボリックシンドロームという名称が、メタボという生活言葉になって、雑談のネタや笑い話のネタになるほど身近なものになってしまいました。
でもその意味や内容を知ってしまうと少し笑っていられなくなります。
私たちはメタボリックシンドロームを知ることによって、改めてメタボリックシンドロームというものから縁のない生活を送ることが出来ます。
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