はい。やってきました。今年も。
それは「健康診断」。
40代ともなれば、人生の折り返し点で身体にも様々な異変が起こり始める時期です。
男性では「厄年」がこのあたりの年齢になっているのも、このような身体の変調が起きやすいからという説もあり、それはある意味科学的な根拠があるらしいです。
ただ私たちは「厄年」で黄色信号を感じる時代ではなく、「健康診断」でその信号を感じる時代に生きています。
そんな健康診断では、「検査を受ける際には(前日に)食事を摂らないように―」と言われますよね?
- でも何故健康診断の前日は食事をしてはいけないのでしょうか?
- もし食事を摂ってしまうと検査にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
- 前日は何時までなら食事を摂ってもいいのでしょうか?
- 検査当日の朝は?
誰もが知っている「検査の前の食事制限」ですが、誰もがあまり知らない、その理由と背景など、気になる点をまとめてみました。
健康診断の前に食事制限される理由は?
健康診断で中心となる検査で食事の内容に左右されるものが二つあります。
一つは「空腹時血糖値」で、これは糖尿病のリスクを検査します。
もう一つは「中性脂肪値」で、これは脂質異常のリスクを検査します。
この二つの重要な値は、前日に食事を摂ると値が一気に上がってしまいます。
もちろん前日のアルコールの摂取が厳禁なのも同じ理由です。アルコールは肝臓で代謝され、分解の途中でアセトアルデヒドという物質になります。
二日酔いの原因になることで知られているこの物質は、脂肪の分解を抑え、同時に中性脂肪の合成を促進してしまいます。
また、食事制限をするのには、別の重要な意味があります。それは「同じ状態で検査を受ける」ということ。
検査は毎年行うことを前提としていますので、同じ検査で数値が上下動するのは好ましくありません。
そのためには、検査を受ける状況は去年と今年、今年と2年前、2年前と5年前と、いつも同じ状況で受けることが大切です。いつも同じ状態で検査を受けることで、正しい比較が正確に出来ることになりますから。
「前日に何も食べない」ということさえ決めておけば、毎年同じ状態で検査を受けることができます。それがもう一つの食事制限の大きな理由です。
食事は前日の何時まで大丈夫?
食べ物の消化には約5時間かかります。食べた内容によると8時間以上かかります。
コレステロール値や血糖値に影響する食べ物が完全に消化されることを考えると、健康診断前の10時間は絶食が基本です。
ですので・・・検査の注意書きには
- 前日の食事は21時まで
- 検査の10時間前は絶食
というように書かれているはずです。
当日の朝は?
検査当日の朝はもちろん絶食ですが、出来れば水やお茶もできるだけ控えましょう。
よく「水やお茶はオッケー」などと言われていますが、胃の中に水がある場合は水の部分が映らなくなったり、バリウムが水で薄まったりします。
ですので、バリウムを飲む、胃カメラを受ける、腹部エコーの検査を受ける という検査内容のときは、水もお茶も控えた方がベターです。
またお茶はコーヒーとともに、カフェインが多く含まれている飲み物です。カフェインは胃の活動を活発にして、胃液の分泌を促進する効果があり、いわゆる「通常の胃の状態」を計測することが難しくなってしまいます。
食事制限は自分のため
健康診断が同じ時期に行われるのも、できるだけ同じ条件で身体の変化を測定したいからです。
できるだけ毎年、同じ時期に、コンスタントに健康診断を受けたいものです。そしてこれから毎年健康診断を受けるのであれば、出来るだけ正確な数値を出すのが大切です。
前日の過ごし方で本当の診断ができなければ、せっかくの検査の意味がなくなってしまいます。
実は異常がないのに“再検査を受ける”なんて事になれば余計なストレスを生むだけ。せめて前日だけは、自分のためにもしっかりと注意事項を守って健康診断を受けましょう!
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