「パンプアップ」という言葉を聞いたことがありますか?
筋力トレーニングの経験者であれば、いわゆる筋肉が「パンパン」になった状態って経験ありますよね?
「ああ・・・筋肉がパンパンになるからパンプアップね!なるほどなるほど・・・」と、勘違いしている人、いるかも知れません(いないかな・・・苦笑)。
確かに筋力トレーニングなどで筋肉に負荷をかけ続けたときに、筋肉がパンパンに膨らむことがあります。これをパンプアップと言います。
PUMP UPは「吸い上げる」という意味。ですからこの名前の意味を考えると、筋肉が何かを吸い上げた状態ということなんでしょうね。
「上腕二頭筋がパンプアップしてきた!」
「最後にパンプアップのためのセットをやっておこう・・・」
なんていう会話をジム通いのベテラントレーニー達が交わしていることをよく聞きます。
かのアーノルド・シュワルツネッガーも「パンプアップは何にもまして気持ちがいい」と豪語していたほどです。
ところで、パンプアップとは、
- 何を吸い上げているのでしょう?
- そもそも何なんでしょう?
- 何故起こって、その時筋肉はどうなっているのでしょう?
- 筋肉なんでしょうか?それとも・・・?
- 筋トレにどんな効果があるのでしょう?それとも関係ないのでしょうか?
など、気になること満載です。
そんな不思議で魅力的なパンプアップというものを今回は調べてみましょう。
パンプアップの仕組み
それではパンプアップが起きる現象を順番に見ていきましょう。
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まず最初に筋トレで筋肉に強い負荷をかけると、まず自分の中に蓄えられた栄養を使ってエネルギーをしぼり出します。
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それを繰り返すと、やがて筋肉はエネルギーになります。
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そして、さらに運動を続けることによって生み出された老廃物が貯まったり、筋肉の収縮によって発生した熱で筋肉温度が上昇した状態になります。
これは人間で言うと「空腹」で「発熱」している状態。かなりフラフラな感じですね(苦笑)。
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こうなってしまうと、筋肉はもう大きな力を発揮できませんし、助けを呼んでいる状態です。健康な筋肉の状態からはずいぶんと外れていますね。
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ここで人間の身体(筋肉)は、この状態を「何とかしよう」とします。
具体的には栄養分を補給したり、老廃物を運びだす働きのある血液やリンパ液を筋肉を流し込み、状態を元に戻しながら、そして筋肉の熱も下げようとします。
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この筋肉内に一時的に血液やリンパ液が増えた状態、これがパンプアップの正体です。
ですので、表面上の膨らんだこの筋肉の中身は、血液やリンパ液という水分ですので、まるで「風船に水を入れて膨らませている」ようなもの。
筋肉が大きくなって膨らんだわけではなかったわけです。
この体液が元に戻ってしまうと、当然このパンプアップも消えてしまいます。パンプアップで筋肉が太くなる(見える)のが一時的なものなのは、これで納得ですね。
パンプアップと筋トレ効果は?
では筋トレ効果に関係はないのでしょうか?
まるで“豊臣秀吉の一夜城”のように突如現れ、そしてすぐに消えるパンプアップ。本来の筋肉強化、筋肉を太くしたいトレーニーはパンプアップをどう見たらよいのでしょう?
実は多くのトレーニーはパンプアップは筋力強化に有効だと考えています。ですのでパンプアップを起こすために最後のセット数を増やしたりしています。
それは何故でしょうか?
人間の身体はもともと環境に適応するように出来ています。
ですので、一時的にせよ血流などを送り込む循環装置がパンプアップのたびに強化されるのは、その仕組み自体が次の筋肉増強の前準備になるという考え方があるからです。
パンプアップのために
※パンプアップは必要?
筋肉が肥大する、しないとは別の次元で、パンプアップのあの感覚は感じた人にしか解らない快感・幸福感があります。
筋肉を増強したいのか、パンプアップのあの気持ちを味わいたいのか、順番が解らなくなっている人もいます(苦笑)。
パンプアップというものはもしかしたら、筋肉を増大させるよりも、筋肉を増大させようとする心、気持ちを大きく肥大させる効果があるのかもしれません。
たとえ表面上の一瞬の筋肉だと解っていても、そのために努力すること、そのために流す汗は本物です。
パンプアップはトレーニーにとっての勲章なんですね。
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