歩く速さには個人差がありますね。もっと言えば、同じ人でも状況や気分によって差があります。
「関西人は速い」と良く言われますが、そのように「お国柄」を表現する言い回しもあります。
歩くのが速い人を見ていると、時として「せわしない」という印象を与えてしまうことがありますが、その一方で、「仕事できそうだなあ」というポジティブな印象を抱くこともありますね。そして実際、要領の良い人だったりします。
実は、この「速い歩き方」は心身の働きに良い影響を多数もたらすことがわかっているんですね。
そこで今回は、まず「早歩き」の具体的な効果をご紹介します。そしてそれを最大限に発揮するための望ましい方法を覚えて、実際に試してみてください。
早歩きすることによる健康効果
早歩きが運動不足を解消する
全身に与える影響の根本は、「早歩きが適度の運動であること」。
簡単に想像がつくことですが、速く歩くことは軽い運動になるんです。
理由はやはりシンプルで、速い動作が大きなエネルギーを消費するからですね。
早歩きによるカロリー消費
では、早歩きはどのくらいのエネルギーを消費するのでしょうか?
体重や速度によって数値はさまざまですが、無理のない範囲では「同じ時間の通常のウォーキングに比べておよそ1.5~2倍」のカロリーを消費できるようです。
小さな運動を積み重ねれば、ダイエット効果も期待できるわけです。
動脈硬化を防ぐ
運動不足を解消し、生活習慣病を防ぐことができます。
動脈硬化もその一つで、これは運動不足や肥満などが原因で起こる病気です。速く歩くことでその原因を解消し、血管を若く保てるんです。
筋力の向上
速く歩くには筋肉を使うので、その機能を維持・向上することができます。
いわゆる「筋トレ」と同じ。体は使いすぎて壊れる以外に、使わないことで衰えます。歩くのに四苦八苦している年配の方々を見るに、普段私たちが行うような歩行では、トレーニングとしての負荷が少々不足しているのかもしれませんね。
頭の回転が速くなる
「頭のいい人は字が汚い」という話があります。頭の回転が速くて、手の動きがそれに追いついていない…という原理だそうです。
同じように「しゃべるとき早口だ」というのも聞いたことがあるような気がしますね。
少し話が逸れましたが、つまり「頭の回転が速い人は動作が速い」というのはよく言われていることです。
そしてどうやらその逆、「動作が速い人は頭の回転が速い」というのも、あながち間違っていないようです。
歩行も含めて動作のスピードを上げることで、「次は何をするのか」ということを素早く考える練習ができるのかもしれませんね。
健康に効果的な早歩きのコツは?
では、「早歩き」を実践するには具体的に何をすればいいのでしょうか?
いつもの歩き方をただ倍速再生するのでは、手段も目的も見失ってしまいそうです。
心がけるポイントを例示している動画があります。
※痩身ダイエットウォーキング
この動画では、痩せる方法という観点に重きを置いて、歩き方を実演してくれています。示されている要点は2つですね。
歩幅を大きく
一歩ごとの歩幅を大きく取り、大股で歩きます。
まずは「こぶし1個分」を目安とし、慣れてきたらさらに大きくしていくと良いようです。
後ろ足で力強く前に出る
後ろ足の、特に足の付け根周りの力を意識し、体を押し出して前に進みます。
以上2つを心がけて、「早歩き」を始めてみましょう。
毎日行う動作だから…
少し難しい話を思い出しました。
「歩行は計画的な転倒である」と、ロボット工学の世界で言われているそうです。
前に倒れようとする姿勢を作り、片足を前に出して支え、また前に倒れ、もう片方の足を前に出して支え…という動作の連続なんだとか。
アシモ君の膝は曲がっていましたが、もっと生身の人間に近い次世代のロボットを作る分野では、この動作についての研究が盛んです。
そんな話からこの話題について考えてみると、「歩幅を大きく」「力強く前に」というのは両方とも、「体を前に倒して、支えざるを得ない状態にする」上で大きな効果を持つのではないでしょうか。
逆に、足を靴ひとつ分も動かさずに前進しようとすると、ただ立っているときと運動量がそう変わらないことに気づきます。
「歩行」という運動には、前に倒れる動作の連続が必要です。
そして、その連続のサイクルを「速く」つまり「大きく」「力強く」行えば、より効果的な運動ができます。
毎日行う動作だからこそ、そこに変化を起こした時の効果は大きいです。速く歩くだけで生産性が上がれば、とてもおいしいお話ですね。
コメント